本研究は肝細胞癌に対する血管新生抑制治療に対する耐性メカニズムについてエネルギー代謝の観点から研究を行ったものである。細胞が飢餓状態に陥るとAMPKが活性化する事で、細胞の危機的状況を回避する事が知られている。我々の研究では癌細胞においても血管新生抑制治療を行うと、腫瘍のAMPKが活性化する事が分かった。癌細胞のAMPKの役割を知る為に、AMPKを欠損した肝癌細胞株を作製し、実験培養及び実験マウスを用いて検証したが、AMPKは血管新生抑制治療に対する耐性には関与していなかった。一方、癌細胞の低酸素誘導蛋白(HIF)の抑制は肝細胞癌に対する抗腫瘍効果を示した。
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