研究課題/領域番号 |
15K21560
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
森村 和浩 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (30369037)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 身体活動量 / 子ども / 運動有能感 / 質問紙 / 認知機能 |
研究実績の概要 |
子どもの活発な身体活動は,健全な発育や成熟,行動発達に不可欠であり,身体活動を通じた社会的な発達も期待されることからも,子どもの頃からの活発な身体活動は健全な身心の育成に重要である.しかしながら,子どもを取り巻く生活環境の変化は運動遊びやスポーツ,ひいては日常生活における活発な身体活動を減少させている.このような子どもの運動欠乏ともいうべく身体活動の減少は,体力・運動能力のような身体的能力の低下だけに留まらず,運動に付随する身体感覚を劣化させ,身体を動かそうという意欲・自信によって形成される運動有能感等の減弱による身体活動減少への悪循環も懸念される.このため,子どもの身体活動評価を正しく行うことは,子どもの健康を支援する上で重要な課題となるが,子どもにおいて身体活動量を正確かつ簡便に把握することは難しく,子どもの身体活動の評価には,簡便かつ低コストで実施可能な「質問紙」が用いられることが多い.その質問紙の多くは,項目数が多いことや時間を要するものが多く,子どもの記憶力では確実に回想することが困難であり,子どもの身体活動全般を正しく評価するには限界を有することも指摘されている.そこで,当該年度は子どもが無理なく回想ができ,短時間で実施可能な子ども用身体活動尺度の妥当性を客観的尺度を用いて検討するとともに,質問紙および客観的尺度から評価された小学生の日常身体活動と運動有能感との関係および生活習慣調査を主として実施し,簡易身体活動尺度の妥当性,および客観的に得られた小学生の身体活動量と運動有能感との関係を明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は当初の計画した調査を実施できており,計画より大きく外れることなく,おおむね順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
当該年度は,加速度計を用いた身体活動を調査し,細分化した身体活動と各体力要素・運動有能感・学習成績・認知機能から,最適な身体活動条件やその関係を明らかにしていく予定であり,現在もその準備および測定を行っている. ただし,勤務地の県外異動のため,一部研究計画を修正する必要性もあるが,研究協力者の協力を得て当該研究内容を継続できるよう準備を整えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象校の積極的な協力が得られたことにより,調査が早く進み必要経費が少額で済んだため.
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次年度使用額の使用計画 |
前年繰り越した助成金は,県外異動によって生じる現地打ち合わせや測定の旅費として,また,測定や解析にアルバイト等の補助が必要となるため人件費として使用する予定である.
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