我が国における生活科および総合的学習を担当するコーディネーターの在り方を検討するために、昨年度の9月下旬から10月上旬にかけて実施した、マサチューセッツ州の現地小学校、中学校、高等学校でのサービス・ラーニング・コーディネーターおよびそれに類する教職員を対象にしたインタビュー調査の結果を分析した。この成果については、アメリカ教育学会第29回大会において口頭発表を行った。論文としては、加藤智「米国のサービス・ラーニング・コーディネーターが有する役割と専門性から考察する総合的な学習の時間のコーディネーターの在り方」愛知淑徳大学文学部『愛知淑徳大学論集-文学部篇-』第43号、2018年にまとめている。 上の成果を我が国の生活科および総合的学習の実態に照らし、生活科および総合的学習を担当するコーディネーターの在り方についての提言を、日本生活科・総合的学習教育学会第26回全国大会において発表した。今後、その成果を論文としてまとめる予定である。 本研究では、生活科および総合的学習を担当するコーディネーター(以下、単にコーディネーターとする)に関する具体的な制度設計を行うまでには至らなかった点は心残りであるが、コーディネーターが我が国における生活科および総合的学習のさらなる充実と発展のために大きな役割を有していること、そして、一人一人の教員のコーディネーターとしてのスキルを高めていくことが肝要であることが明らかとなった。
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