研究課題/領域番号 |
15K21576
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研究機関 | 京都文教短期大学 |
研究代表者 |
香村 恵介 京都文教短期大学, 幼児教育学科, 講師 (80735481)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 幼児 / 幼児期前期 / 保護者 / 身体活動 / 座位行動 / 加速度計 / 肥満 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,幼児期前期(1歳半から3歳)における幼児の身体活動量(physical activity,以下PA)および肥満に関連する保護者の要因を明らかにすることである. 平成28年度は蓄積したデータを分析し,3度の学会発表を行った.幼児期前期幼児のPAに関する基礎的分析から,平日と週末の装着時間当たりのPA(%PA),座位行動時間(sedentary behavior,以下SB)(%SB),歩数に有意な差は認められなかった(%PA:平日43.3% vs 週末41.5%,%SB:平日56.7% vs 週末58.5%、歩数:平日548歩/時間 vs 週末520歩/時間).また,%PAは男児41.2%,女児40.0%,%SBは男児58.8%,女児60.0%で有意な性差は認められず,男女とも同様であった.1日当たりの歩数に関しても有意な性差は認められず,平均値は男児7080歩,女児6683歩であった.上記の結果から,PAの性差も認められないことを明らかにした.先行研究において,3歳の時点でPAおよび運動能力の性差が認められていることから,3歳以降にPAの性差が発現し,運動能力の性差にも関連している可能性が窺われた. また,加速度計で測定した母親および父親のPAと子どものPAの関連を分析し,母親の軽強度のPA,中高強度のPAおよびSBとは関連するが,父親とは関連しないことを報告した.両親のPAと子どものPAとの関連についての詳細な分析結果を,平成29年6月に行われる国際学会(ACSM)で発表予定である. 平成29年度はさらに測定を継続し,保護者のどのような要因が子どものPAおよび肥満に関連していくかを分析し,結果を論文にまとめ公表していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成28年度は,研究協力を依頼する範囲を広げ,近隣の子育て支援室および幼稚園にも依頼した.7組の新たな協力が得られたものの,十分な対象者の確保に至っていない.さらに,予想よりも子育て支援室からのリクルートが進んでいない.理由として,母親と子どもの2名であれば協力可能であるが,父親は仕事の関係上,加速度計の装着が難しいこと,さらに,支援室スタッフからの声かけが停滞していることが挙げられる.
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は以下の対応を行い,研究協力者の確保を目指す.1点目は,子育て支援室における「講演」を行い,研究代表者の存在を保護者に知ってもらうとともに,研究への参加協力を呼びかける.2点目は,近隣の保育所にも協力を依頼する.
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次年度使用額が生じた理由 |
1年間の研究期間の延長を行ったことで,平成28年度と平成29年度で研究費を使用する計画を立てたため.
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度の6月に国際学会での発表によって,約30万円の支出をする予定である.また,測定協力者への謝金や論文投稿料等で残りの約25万円を支出する計画である.
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