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2017 年度 実績報告書

フランスにおける私学助成を通じた社会統合の実現とその市民性教育プログラムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K21578
研究機関中村学園大学短期大学部

研究代表者

橋本 一雄  中村学園大学短期大学部, 幼児保育学科, 講師 (30455084)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード私学助成 / 社会統合
研究実績の概要

平成29年度は、前年度までの研究成果を踏まえ、(1)戦後のフランスにおける移民政策の推移と1990年代以降の移民の社会統合政策をめぐる判例の研究、(2)フランスにおけるイスラム系私立学校の設置及び運営状況の調査・分析を行った。(1)については、フランスでは1980年代後半以降、移民の社会統合をいかに果たすかが主に学校教育のありようをめぐって議論されてきた点について、移民のフランス文化への不適応を解消するためフランス語の能力をいかに身につけさせ、職業上の成功の可能性を保障するかをめぐる移民教育の歴史について文献及び統計資料の研究を行った。また、1990年代以降、イスラム系移民が主に問題としてきた公立学校におけるスカーフの着用をめぐる行政訴訟についての調査を実施した。他方、(2)については、2000年代に入り、フランスの移民政策、とりわけ教育政策には共和国の一員としての自覚を促す傾向が顕在化するようになり、イスラム系移民は独自の私立学校を設置することを通じて自らの教育の自由を確保する動きを見せている点に着目し、そうした転換を促す契機となったと考えられる公立学校でのイスラム教徒のスカーフ着用禁止法制定以降のイスラム団体の動きを現地調査及び文献・資料の分析研究を行った。その結果、フランス国内で最大規模のイスラム団体においては、平成30年3月現在において、80校余りの小学校、コレージュ及びリセを設置していることが判明し、それらの公費助成の内訳として、a契約外、b部分契約、c全面契約の3つの種別が存在することが分かった。これらは教育法典に規定された私学助成の区分ではあるものの、現地調査により、後二者においては私学の独自性としてイスラム文化が尊重されていることも判明した。その私学助成を得るための要件と、後二者で実施されている教育内容(市民性教育)について資料を得ることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] フランスにおける移民教育(仮)2018

    • 著者名/発表者名
      橋本一雄
    • 学会等名
      フランス教育学会(大会シンポジウム)
    • 招待講演
  • [学会発表] 教育を受ける権利の過拡大論に関する考察2017

    • 著者名/発表者名
      橋本一雄
    • 学会等名
      憲法・政治学研究会第591回研究会
  • [図書] 現場から福祉の課題を考える 子どもの豊かな育ちを支えるソーシャル・キャピタル:新時代の関係構築に向けた展望2018

    • 著者名/発表者名
      橋本一雄
    • 総ページ数
      319
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      4623081222

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公開日: 2018-12-17  

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