本研究では原糸から加工糸になるまでの全加工工程での非接触型糸形態検査システムを開発した.加熱・加撚部ではヒータ熱の影響により,ガラス転移温度付近から糸形態が急激に変化した.施撚部では各ディスクで加撚作用および解撚作用が働くが,同部全体で見ると加撚領域・過渡領域・解撚領域が存在していた.これらの領域を任意に変更出来れば,施撚部における適切なディスク枚数やディスク形状,ディスク材料を検討することができるといえ,全加工工程の設計コスト削減が望める.また,サージングは施撚部等からの加振力に対する糸の抵抗力の不足が発生要因の一つとして考えられ,最適な糸張力設定が糸品質の向上につながるといえる.
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