高齢者施設が半数以上を占める福祉避難所は,高齢社会の到来により,今後もその需要の増加が見込まれているが,全国的に指定が進んでいない状況にある.平成20年には同施設の設置・運営に関するガイドラインが出されたが,近年起きた高齢者施設を巻き込む災害での教訓を継承するものとはなっていない.本研究では,行政,施設管理者,利用者といった様々な立場の関係者の観点から,福祉避難所の設置・運営に際しての必要な知見やボトルネックとなる事項を明らかにするとともに,空間情報を活用した被災リスク分析や福祉避難所の将来需要予測を行うことで,より実効性の高い福祉避難所を整備していくための方法を提案した.
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