研究課題
本研究では,既存の感情推定アルゴリズムを用いて,TwitterやBlogの記事内容から投稿者の見かけの性格を推定する手法について検討した.Twitter,Blogから推定された見かけの性格は,双方ともに投稿者本人の本来の性格とは異なる傾向を示すことをBig Fiveに基づく性格検査により明らかにした.特に,Blogのような推敲を重ねて投稿される文書は著者本来の性格との剥離が大きく既存の感情推定アルゴリズムとの相関もあまり見られなかった.一方で,Twitterのようにその場の思いつきで気軽に投稿できる文書であれば,著者本来の性格と見かけの性格は異なるものの,既存の感情推定アルゴリズムとの相関が強く表れ,見かけの性格を自動推定することが可能であることを示している.また,本研究では,既存の感情推定アルゴリズムを拡張するため,顔文字の解析を同時に進めている.顔文字が持つ感情成分は前後の文脈に依存したり,ともに使用されるオノマトペなどとの関連によっても変化することを明らかにしている.そこで,大規模な顔文字の辞書を構築し,顔文字を個々のパーツに分割した結果,顔文字には基本感情を示す原形と,その周辺のパーツが存在し,パーツによって指し示す感情の傾向が変化していることを明らかにしている.現在,約4万種の顔文字にアノテーションを実施しており,言語資源としての公開を予定している.なお,本研究の主体は見かけの性格推定にあるが,顔文字に関する知見が増加してきていることから,顔文字に関する詳細な分析,顔文字の自動生成といった新たなタスクを展開していきたいと考えている.
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人工知能学会誌
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20th International Conference on Knowledge-Based and Intelligent Information & Engineering Systems KES2016,;Procedia Computer Science
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