本研究では,強磁性金属Fe3Si/半導体FeSi2人工格子を創製し,局所2端子型および非局所4端子型スピンバルブ効果を利用して,強磁性金属Fe3Siから半導体FeSi2への電気的スピン注入に取り組んだ.その結果,局所2端子型スピンバルブ素子では,強磁性金属Fe3Si層から半導体FeSi2層へとスピン偏極電流を生成することに成功した.また,このスピン偏極電流による半導体FeSi2中でのスピン拡散長(輸送長)が,100nm以上期待できることを実証した.さらに,非局所4端子型スピンバルブ素子では,強磁性金属Fe3Si層から半導体FeSi2層へと純スピン流を生成することに成功した.
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