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本研究の目的は、婦人科腫瘍において新しいチロシンキナーゼ融合遺伝子を同定する、ことである。近年、anaplastic lymphoma kinase（ALK）融合遺伝子を有する肺癌が発見され、その融合遺伝子を有する肺癌に対しALK阻害剤が臨床応用されるまでに至っている。婦人科癌を含む肺癌以外の固形癌においても、チロシンキナーゼ融合遺伝子が報告されており，本研究で婦人科腫瘍の新しい分子標的薬の導入に向けて、治療ターゲットとなる融合遺伝子を探索する。
融合遺伝子探索のために、がん研有明病院にて切除され、病理組織学的診断が行われた婦人科腫瘍症例(子宮頸部約850例、子宮体部約400例、卵巣約450例)のホルマリン固定パラフィン包埋ブロックからtissue micro array(TMA)を作成した。作成したTMAに、bacterial artificial chromosomeクローンを用いたキナーゼ遺伝子に特異的なfluorescence in situ hybridization（FISH）プローブを使用し、融合遺伝子のスクリーニングを行った。FISH陽性婦人科腫瘍数例から、遺伝子特異的なreverse transcription polymerase chain reaction (RT-PCR)法によりキナーゼ融合遺伝子を同定した。さらに、リアルタイムPCRによる発現解析により融合遺伝子陽性婦人科腫瘍を数例同定した。
今後は、残りのFISH陽性候補症例に対して融合遺伝子検索を行う予定である。
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