研究課題
インフルエンザウイルスゲノムRNAは8本に分節化されており、8種8本のゲノムRNAが1つの粒子中に取り込まれると考えられている。1セットのウイルスゲノムが1つの粒子中にパッケージングされる分子機構を明らかとする目的で、RNA間のクロスリンクおよび特定分節のpull downを用いた新たな系を構築し、ウイルス粒子内における分節間RNA-RNA相互作用を網羅的同定を行った。まず、系の構築のため、1つの分節に着目し、RNA間のクロスリンク-特定分節のpull downを行い、沈降したRNAからcDNAライブラリーを作成後、次世代シークエンサーMiSeqで読み取りを行った。得られたデータから共沈降された他の分節について解析を行った結果、RNAクロスリンク特異的に沈降する他の分節が存在した。この結果はウイルス粒子内で特定分節RNAと相互作用する他の分節RNAが存在する事を示唆している。実験条件の決定を行った後に、支援型新学術領域「先進ゲノム支援」の支援を受けて、すべての分節でそれぞれpull downを行い次世代シークエンサーHiSeqで読み取りを行うことで共沈降する他の分節RNAについてのデータを得た。得られたデータを条件検討段階で得られたデータと比較を行い、再現性の確認を行った。現在、得られたデータの詳細なバイオインフォマティクス解析を行っている最中であり、この解析から得られる結果から、インフルエンザウイルス粒子内における分節間相互作用の全体像が明らかになると考えられる。解析の結果が得られた後に速やかに論文化を行い成果を発表する予定である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
Journal of Virology
巻: 91 ページ: e01073-16
10.1128/JVI.01073-16
Viruses
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http://www.bikaken.or.jp/