研究課題
本研究では肢体能力の減損患者のための補綴装具における従来の課題の克服を目指して、脳内埋植型の双方向光情報伝達デバイスと随意運動発露装置とを開発し、実際に動物の生体脳に適用することで試験運用することを目的とした。前年度までに開発した、脳内に低侵襲的に長期埋植可能で神経細胞の活動を光学的に計測すると同時に光学的に刺激することが可能な微小半導体デバイスを、神経細胞の活動を光計測するための蛍光指示タンパク質と、光刺激するための光感受性タンパク質とを併せて使用することにより、培養細胞と脳内移植細胞において、そしてin utero電気穿孔法で遺伝子導入した動物の生体脳の神経細胞において運用した。次に、当該デバイスの主要な脳機能光計測機能と脳機能光制御機能を分離し、それぞれについてさらに独自に発展させた。主に脳機能光計測機能に特化させるため、低侵襲的に頭部に慢性留置して大脳皮質の神経活動を可視化するための①ウェアラブル極小イメージャーを試作した。また、主に脳機能光制御機能に特化させるため、低侵襲的に脳内に慢性留置して使用することが可能な②ウェアラブル光プローブを試作した。また動物用の義体として体躯連動型の③小型モビリティを試作した。これら新たに開発したツールを用いて、大脳皮質の神経活動を光計測してモビリティを駆動することと、外部情報、モビリティあるいは動物の行動様式を計測して大脳皮質の神経活動を光制御することを、それぞれリアルタイムで連動的に制御し、評価するための行動解析プラットフォームを構築した。最終的に構築したプロトタイプの基礎システムを稼働させた結果、実際に運用可能であることが検証により確かめられた。以上により当初目的であるoptical neurocommunicatorによる義体制御システムは③と連動可能なシステムとして開発されて達成され、新たに①、②が試作された。
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Proceedings of the IEEE
巻: 105 ページ: 158-166
10.1109/JPROC.2016.2585585
http://www.riken.jp/outreach/ip/08413/
http://www.riken.jp/outreach/ip/08438/