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2018 年度 実績報告書

カルボニルストレス性統合失調症の認知機能障害に関する縦断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K21648
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

小堀 晶子  公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 研究員 (60707181)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードカルボニルストレス / ペントシジン / ビタミンB6 / 認知機能障害
研究実績の概要

統合失調症を対象に、ペントシジンとビタミンB6の値によって被験者を4群(第1群:正常値群、第2群:ビタミンB6低値群、第3群ペントシジン高値群、第4群ペントシジン高値、且つビタミンB6低値群(=カルボニルストレス群;CS群))に分け、Wechsler Adult Intelligence Scale(WAIS-III)、Wisconsin Card Sorting Test Keio-FS version(WCST-KFS)の認知機能検査とManchester Scale日本語版(MS)を用いて精神症状の評価を行い、その結果を群間で比較した。加えて、認知機能検査施行後1年以上経過している2名の被験者を対象としてWAIS-III、WCST、MSを施行し縦断的に生化学データと認知機能検査の結果を検討した。
その結果、WAIS-IIIの「絵画完成」、「符号」、「絵画配列」の下位検査がCS群で有意に得点が低下していた。また、WCST-KFSにおいてCS群は、達成カテゴリー数が少なく、保続が増加傾向にあり、「セットの把持障害」が有意に増加していた。さらに縦断的に検討を行った2名の被験者のうち1名では1年後のペントシジン値が低下していたことに加えて、WAIS-IIIの全検査、言語性、動作性IQの上昇が認められた。
以上のことから、カルボニルストレス性統合失調症では、視覚認知や社会認知の障害、処理速度と注意の低下が示唆された。加えて、縦断的な検討ではペントシジン値の低下とWAIS-IIIの得点の上昇に関連があることが考えられた。
本研究は、カルボニルストレス性統合失調症に特徴的な認知機能障害を明らかにし、ペントシジン値とWAIS-IIIの得点に関連を見出した点に意義があり、将来的にピリドキサミンを実用化する際に、認知機能障害への有効性を示す貴重な臨床学的知見となりうる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 東京都医学総合研究所 統合失調症プロジェクトホームページ

    • URL

      http://www.igakuken.or.jp/schizo-dep/

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公開日: 2019-12-27  

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