高い体積水素密度をもつMg水素化物は、軽量かつ低材料コストでありエネルギー貯蔵媒体として魅力的な材料である。しかし、その利用には、水素化物MgH2の安定性が高すぎることと、MgH2中の水素の拡散速度が極めて遅いことが課題である。非平衡のMg-Ti系合金を水素化するとナノメートルサイズのMg水素化物クラスターが自己組織化により非混合性のマトリックス中に形成される。本研究ではMg-Ti-X (X: Cr, Mn)およびMg-Fe-Si系水素化物を作製して、Mg水素化物とマトリックスの間に生じる界面エネルギーを利用してMg水素化物の不安定化および水素の拡散距離短縮を図った。
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