生体試料中タンパク質分析への応用 前年度までに本誘導体化の基礎検討及び再現性、定量性について確認を行った。また基礎検討を行った本誘導体化法を用いて、生理活性ペプチドやヒトインスリンを対象としたヒト血清分析へ応用した。当該年度ではさらに発展すべくアミロイドβタンパク質やアミロイドβ前駆体タンパク質分析へ応用した。前年度ではV8プロテアーゼによりヒトインスリンの断片化を行い、本法を用いてカルボキシル基を誘導体化し、LC-MSにて定量した。本研究では、トリプシンにより対象としたタンパク質を断片化し、得られた断片化ペプチドに対し本法を用いてカルボキシル基を誘導体化し、LC-MSにて定量した。対象としたタンパク質の標準品を用いて、本法の再現性及び定量性について確認することができた。現在、生体試料中分析への適用を試みている。
脱アミド化評価の機能性確認 前年度までは、LC-UVを用いた脱アミド化評価法の開発を行っていたが、当該年度ではLC-MSを用いた脱アミド化評価法の開発を試みた。カルボキシル基への誘導体化として、より反応効率を高めるため、エチルアミンによる誘導体化を行った。前年度までと同様に既知の濃度比で調製したアスパラギンとアスパラギン酸やグルタミンやグルタミン酸及びこれらを含む短鎖ペプチドを用い、得られた結果より算出した濃度比が調製した濃度比とどれほど一致するか確認した。その結果、標準偏差内で一致したことが確認でき、LC-MSを用いた脱アミド化評価法の有用性を実証した。
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