研究課題/領域番号 |
15K21664
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
竹山 優子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 再生可能エネルギー研究センター, 主任研究員 (00510025)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | PALSAR / SENTINEL-1 / 海上風 |
研究実績の概要 |
初年度はALOS PALSARデータL1.0データのアーカイブシステムとして,GISソフトを活用した検索システムの構築を行った.これにより,データの観測緯度経度,観測日時,その他Path番号,Row番号等の観測に必要な情報によるデータ検索が簡単に実行でき,研究に必要なデータを自動で用意できるようになった.このシステムを用いて,PALSARデータから推定される海上風速の精度について和歌山件白浜を対象として実施した.さらに,新衛星SENTINEL-1を用いた精度検証も実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では複数衛星を用いた日本沿岸域の精度検証を行い,その精度を明らかにするとともに誤差要因の特定と除去を第一の目的としている.初年度は研究環境の整備と取得済の合成開口レーダ2種類を用いた日本沿岸域の精度検証を行った.PALSARを用いた精度検証では,和歌山県白浜にある京都大学防災研究所所有の海洋観測鉄塔の実測データを用いた.検証の結果,観測モードがFBDの時にはBias 0.5 m/s, RMSE 0.9 m/sとなっており既存研究よりも高精度な結果となった.一方で観測モードがFBSの時にはBiasが-4.1 m/s, RMSEが2.2 m/sとなり,精度として課題の残ることが分かった.さらに,新衛星SENTINEL-1から海上風を算出し,同白浜海域において比較検証を実施した.その結果,Biasは1.46 m/s,RMSEは1.73m/sとの結果となった.当初計画と比べて使用するデータが変更となったが,同等の検証が実施できた.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の検証結果に加えてさらにデータ点数を増やした検証を実施するとともに,大きな誤差要因と考えられる陸の影響を取り除く手法開発を試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初使用予定の衛星データよりも実績のある波長の衛星データが欧州宇宙機構より無償配布され、そちらの解析を優先したため。
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次年度使用額の使用計画 |
当初計画の有償衛星データを解析に加えるため、次年度に使用する予定である。
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