本研究では,港湾空港技術研究所・波崎海洋研究施設においてLiDAR (Light Detection and Ranging; 光波による風計測装置) を用いた陸上および海上風の野外観測を実施した.その結果,風の吹送距離(フェッチ)に応じて接地層内の風速が徐々に強くなるフェッチ効果が観測された.このフェッチ効果は,水平方向には2km以下,鉛直方向には150m高以下で顕著であることが明らかとなった.また,高解像度な気象シミュレーションとの比較により,数値計算ではこのフェッチ効果ははっきりとは再現できないことが明らかとなった.
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