本研究では、微量な生体試料 (組織切片) 由来ムチン上の糖鎖プロファイリング法の確立と、ムチン産生腫瘍である膵・胆管がん多検体組織を用いてムチン上糖鎖の比較プロファイリングを実施し、診断・治療標的の創出を目指し、疾患特異的糖鎖を検出することを目的とした。これまでに、モデル実験として培養細胞を用い、細胞由来ムチンの比較糖鎖プロファイリング法の確立に成功した。本法を応用し、胆管癌・膵臓癌手術標本を用い、ムチン糖鎖比較解析を実施したところ、術後予後に応じて変化する糖鎖を見出した。本法は新たな診断マーカーおよび創薬標的の探索への応用が期待される。
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