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申請者はこれまで、クラスター化したGM1ガングリオシドがアミロイドβ（Aβ）を特異的に補足し、その構造変化を促す触媒場としてアルツハイマー病の発症に関与することを明らかとしてきた。しかしながらこれまでの研究では、GM1ミセルに安定に結合した状態のAβを溶液NMR解析の対象としてきたため、膜上におけるAβの構造変化に関する構造情報は得られていなかった。そこで、より生体膜に近い糖脂質膜を構築し、固体NMR法を用いた解析を実施し、ガングリオシド膜上におけるアミロイド線維形成過程を分子構造論的に理解することを目指した。
アルツハイマー病を引き起こす環境依存的なAβの凝集過程の本質を体系的に明らかにするために、Aβの構造変化を規定する膜環境場側の情報を得ることを試みた。ガングリオシドの濃度を変化させたリポソームを作製し、固体NMR法を用いてガングリオシド含有膜上に結合したAβの構造を同定した。その結果、ガングリオシドの含有量に依存してAβのC末端領域の二次構造が変化することが判明した。
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