AlGaN深紫外発光ダイオードは短波長化に伴い、AlGaNのAl組成は高いものが必要となる。高Al組成AlGaNのn型オーミック電極を作製する上で、N極性の面を利用すること、窒素空孔が生じやすくすることができ、それによってオーミック電極の特性を改善することが狙える。通常、Ⅲ族面が使われる窒化物半導体結晶面に対してN極性の面を形成するためには垂直な壁面をもつ3次元構造を形成する必要があるので、その形成プロセスについて検討した。 垂直な壁面の形成において、N極性の面の形成密度を高くできる電子線リソグラフィが有利と考えられるため、電子線リソグラフィによるラインアンドスペースパターンの形成の方法について検討した。ハーフピッチ100nm~300nmのレジストパターンの形成パターンについて、形成条件を確認した。更なる高密度化のために、パターンサイズをこれ以下にすると、近接効果の影響を受けるために、適切な描画条件を求めるのが難しくなる。一方、一般的な近接効果補正の手法は層構造が複雑である窒化物半導体試料において、適応が難しいと予想される。そこで、電子線リソグラフィで形成したパターンのサイズを走査型電子顕微鏡像の画像解析によって高精度に求めた結果から近接効果補正の条件予想を行う手法について検討した。この手法は層構造が複雑である窒化物半導体試料に有用と考えられる。 3次元構造をもつ電極作製プロセスについては一部のプロセスについて、装置トラブルのために研究期間内には実施が困難であった。今後は、実施出来なかったプロセスに対応して、3次元構造を持つ電極を形成して、検討を進めていきたいと考えている。
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