研究課題
平成27年度は非小細胞肺癌の組織検体、および末梢血検体での超高感度EGFR遺伝子変異測定系の構築を行った。この結果はEGFR遺伝子変異の定量化をより低侵襲な検査で実現する上で意義のあることであり、今後のEGFR遺伝子変異を含めた体細胞遺伝子変異のクローン/ サブクローンの優越性による薬剤効果を評価してゆくために重要である。平成28年度は非小細胞肺癌の組織検体より次世代シークエンサーでの体細胞遺伝子変異を評価した。その結果は、今後の末梢血からの網羅的遺伝子異常の解析を実現する上で意義のあるデータとなると考えられる。また、バイオインフォマティクスにもとづいた手法を用いて腫瘍のサブクローナリティーによるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤などの治療法の効果を評価してゆく。
2: おおむね順調に進展している
平成27年度に計画していた内容の研究実績は平成28年度に英文誌(Lung Cancer)に掲載された。平成28年度に計画した内容も、研究実績をまとめ国際学会での発表を予定している。
デジタルPCRによる末梢血中のEGFR遺伝子変異の定量、ならびにEGFR遺伝子変異を含めた体細胞遺伝子変異の多様性(サブクローナリティー)の評価もすすめてゆく予定である。
当初予定した末梢血循環遊離DNAでのEGFR遺伝子変異検出が困難な場合に予定していた末梢血中エキソソーム由来の遺伝子解析を現時点では行っていないために次年度使用額が生じたためと考えられる。
当初の計画に加え、体細胞遺伝子変異のサブクローナリティーによる治療効果の層別化、ならびにそれらの結果の学会での発表を次年度以降に行うこととし、次年度使用額はそれらの経費として適切に使用してゆくこととしたい。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
Lung Cancer
巻: 106 ページ: 138-144
10.1016/j.lungcan.2017.02.001