平成27年度は非小細胞肺癌の組織検体、および末梢血検体での超高感度EGFR遺伝子変異測定系の構築を行った。この結果はEGFR遺伝子変異の定量化をより低侵襲な検査で実現する上で意義のあることであり、今後のEGFR遺伝子変異を含めた体細胞遺伝子変異を含めた体細胞遺伝子変異のクローン/サブクローンの優越性による薬剤の効果を評価してゆくために重要である。 平成28年年度は非小細胞肺癌の組織検体より次世代シークエンサーでの体細胞遺伝子変異を評価した。その結果は、今後の末梢血からの網羅的遺伝子異常の解析を実現する上で意義のあるデータとなると考えられる。また、バイオインフォマティクスにもとづいた手法を用いて腫瘍のサブクローナリティーによるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤などの治療法の効果を評価してゆく。 平成29年度は活性型EGFR遺伝子変異とその耐性遺伝子(T790M)の評価に加え、新規耐性遺伝子(C797S等)への対応が必要と判断し、新規耐性遺伝子の細胞株を樹立しその後、測定系の構築を進めてゆく。 平成30年度は耐性症例で見つかった新たな遺伝子変異について、培養細胞株を用いた分子生物学的検討を行い、その変異のEGFR-TKI耐性化への関与について検討する。また、関与が確認された場合は、その耐性機序を克服するための併用療法について検討を行う。
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