抗体標識を伴わない“細胞ローリングカラム”を用いた細胞分離がiPS細胞の分化特性に与える影響を調査した。抗Flk1抗体固定化カラムの作製方法を検討した。カラムを用いて、iPS細胞を中胚葉細胞に分化させた細胞からFlk1陽性細胞を回収する条件を検討し、27%から49%までの異なるFlk1陽性率を有する細胞集団の分画に成功した。この細胞を心筋分化させたところ、Flk1陽性率が最も低い分画で分化がすすむ傾向が見られた。フローサイトメータで分離した場合だと、Flk1陽性細胞が心筋分化能を持つことが先行研究より報告されている。今回の結果は細胞分離方法の違いが細胞の分化特性に影響を与える可能性を示唆する。
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