有毒キノコによる食中毒の原因究明のために行われる形態学的鑑別法は、キノコが原形を留めていない食中毒検体には適用が困難である。そこで、種の同定に有用なDNAバーコーディング法を応用したスクリーニング法を開発した。日本で食中毒事例のあるキノコのうち、5種類の種特異的なプライマーを作製した。本法は調理および人工胃液による処理の影響を受けず、約2時間半で検出可能であった。さらに、一例としてオオシロカラカサタケ特異的プライマーを用いたリアルタイムPCR法の開発を行った。実際の食中毒検体にも適用可能であった。
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