事故や災害等の緊急時環境調査に適用可能な分析法として、土壌および底質中の有害化学物質を迅速にスクリーニングする手法(土壌診断法)を開発した。マイクロ波等を用いた二相系溶媒による多段階抽出法を考案し、GC-MS、ICP-MS等を測定系とすることで、有機汚染物質および重金属類の有無を1~2日間で判別できるようになった。さらに、土壌診断法を用いて、東日本大震災後のガレキ集積場の土壌汚染調査を実施した。その結果、多環芳香族炭化水素(PAHs)やアルキル化PAHsなどの有機汚染物質が数多く検出された。これらの物質データをもとに、複合汚染の実態解明および発生源解析を行った。
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