研究代表者が同定した37種の膜貫通型ユビキチンリガーゼのうち、アルツハイマー病患者の脳において発現が増加しているRNF182を中心に解析を進めた。RNF182は中枢組織特異的に発現し、特に海馬に多く分布する。RNF182は、後期エンドソームおよびライソゾームに局在していたが、RNF182結合タンパク質としてライソゾームタンパク質LAPTM4Aを同定した。RNF182はLAPTM4AをK63型ポリユビキチン化することで、アミノ酸トランスポーターLAT1とLAPTM4Aの結合を増強する。結果的に、RNF182はmTORC1を活性化することでオートファジーを抑制している可能性が示唆された。
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