研究課題/領域番号 |
15K21770
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
安藤 弘樹 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授 (70462786)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | バクテリオファージ / 合成生物学 / 薬剤耐性菌 / 細菌叢 |
研究実績の概要 |
研究代表者が開発したバクテリオファージをデザインして起動できるプラットフォーム(Cell Systems, 1(3) : 187-196, 2015)の改良・次世代化に注力した。初代プラットフォームは出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)と大腸菌(Escherichia coli)という二種類の生物を用いており、これがプラットフォームの効率化やハイスループット化の妨げになっていた。当該年度は、①酵母からのデザイナーゲノムの抽出方法、大腸菌へのデザイナーゲノムの導入方法の見直し、②無細胞系(複製・転写・翻訳)の利用、を並行した。①については様々な方法を試行しながら、新しい方法の開発にも取り組み、より迅速で簡便、効率的な方法を探索した。結果として、デザイナーファージの起動効率を大幅に上げることに成功した。これまでの結果から、迅速化と簡便化、さらなる効率化が可能であると考えており、引き続き取り組んでいく。②については、無細胞系の利用が可能であるという結果を得た。しかし、再現性を得ることが難しく、作業が煩雑、費用対効果が低いということも判明した。これまでに試した無細胞系をプラットフォームに組み込むのは現状では難しいと考えている。まだ試していない系も多いが、①の成果が予想を上回るものであったことから、引き続きこれに注力していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プラットフォームの改良・次世代化には引き続き取り組む必要があるが、おおむね当初の計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
プラットフォームの改良・次世代化を進めながら、プロトタイプとなる人工バクテリオファージを創出する。概念実証実験として、研究代表者が報告した実験系(Cell Systems, 1(3) : 187-196, 2015)とこれを発展させたものに取り組む。この結果をもって、次世代プラットフォームの機能性と有用性を実証する。次に、人工遺伝子回路の搭載や、より柔軟なゲノム設計からの人工バクテリオファージの起動を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究室自体の引っ越しとセットアップに数ヶ月を要し研究開始が遅れたこと、研究員及び研究補助員の採用が計画通りに進まなかったことが理由としてあげられる。現在は研究体制が整っており、主に人件費と物品費として使用する予定である。
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