研究課題/領域番号 |
15KK0011
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
荒川 豊 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (30424203)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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キーワード | タッチ操作 / コンテキスト認識 / スマートフォン |
研究実績の概要 |
本研究は,スマートフォンやウェアラブル機器を利用したユーザの状態認識に関する研究である.これまでタッチパネル操作をセンサとして用いる手法や,バイタルセンサを搭載したスマートウォッチを搭載したストレス推定などについて,国内で発表してきた.これらの研究を土台とし,国際的に活躍するUCLA,Mani教授のもとで調査,議論を行い,今後どのような研究へ発展させていくべきかの知見を得ることが目的である.
UCLAでのメイントピックがセキュリティであり,現在はIoTセキュリティおよびプライバシーの研究が主流であった.Mani教授及びPh.D.の学生たちとの議論を通じ,ユーザの状態認識においてもプライバシーへの配慮が必須であることとを学び,IoT機器とユーザのトラストをどのように形成するかという新しい課題に取り組んだ.この課題については,プロジェクトとしてまとめ,Mani教授にアドバイザーとして加担してもらい科研費に応募中である.
また,タッチ操作の分析に基づくユーザプロファイリングに関しては,こちらで新規の実験を行わなかったため,共著とはなっていないが,滞在中に海外ジャーナルへ投稿し採択された.タッチの発展として,スマートフォンだけではなく,圧電素子を使ったタッチ操作についても研究を行なっているが,UCLA滞在中に,圧力などの物理エネルギーを電力に変えるエナジーハーベスト素子を電源としてではなくセンサとして利用することで,より低消費電力なユーザ行動認識ができるのではないかという着想を得た.UCLAでは,長期的な行動観測に基づくオフィスワーカーのメンタルセンシングプロジェクトが進んでおり,低消費電力な行動認識システムの実現が求められている.この課題に対しても,Mani教授と議論し,研究課題をまとめ,科研費に応募したところ,採択されたので,今後も連携していきたいと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
UCLAの研究室でのメイントピックが,渡航前と多少違ったため,タッチ操作挙動に基づくユーザ行動認識をそのまま発展させることは断念した.しかし,滞在中に海外ジャーナルに投稿し,採択されたことで一区切りをつけ,それを土台とした新たな研究課題の模索へとシフトした.
セキュリティを中心とする研究室において,領域の異なる議論に参加したことで,ユーザ行動認識という自身のトピックの中で,発電素子をセンサとして使うという新しい発想やプライバシーへの配慮と利便性の両立など,新しい研究領域を切り拓くことができた.
成果として,論文だけではなく,新たな研究プロジェクトを生み出せたことは良かったと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
今回の滞在を機にスタートしたプロジェクトに関して,定期的に連絡を取り,共同研究を実施してく.
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