本研究提案では,基盤研究Aで提案しているLFビジョンが計測を高次元化することで,透明物体の認識を可能としたように,投影プロジェクタをも高次元化するLFアクティブビジョン手法を提案する.この入出力のLF化により,さらに困難なCV問題である複雑な反射特性をもつ物体の形状計測を実現する.この技術により3次元計測がより身近になり,コピーやファックスのように,物体を3Dプリンタでコピーしたり,送ったりできる要素研究である.従来のアクティブビジョンによる物体の形状推定では拡散反射を持つ物体を仮定しており,強い鏡面反射をもつ金属物体には適用できなかった.従来のアクティブビジョンでは,2次元投影,2次元計測の射影関係,すなわち2元ライトトランスポートから物体形状を求めていた.これに対して,本研究では4次元投影,4次元計測の射影関係,すなわち4次元ライトトランスポートから形状を求める点が新しい.本研究提案は基研究のLFビジョンのフレームワークをアクティブビジョンに拡張するものであり,このフレームワークをより一般化する意味で基研究を飛躍的に発展させるものである.また,従来のアクティブビジョンで計測できなかった対象や条件下で物体形状を求めることから,画像理解のトピックとしてもチャレンジングで応用分野の適用範囲を広げる点で有用性が高い.実際には,ライトフィールドにかかわらず,フォトメトリックステレオ法やTime-of-Flight法などの幅広い3次元形状計測法に関しての議論を行い,その符号化による安定化や適用範囲の向上を議論した.その結果,動的フォトメトリックステレオの研究や,現在採択されている基盤S研究に繋がった.
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