研究課題
本研究はソフトウェアの自動デバッグ方式の構築を目的とする.基課題では,柔らかい制約の考え方を用いて不具合箇所発見を行い,さらにC言語を対象とするデバッグツールを開発した.本課題では基課題を発展させて,柔らかい制約と複数パスを用いたプログラムの不具合箇所発見・可視化方式を研究開発する.特に,基課題で構築したプログラム符号化方式の拡張,それに対して柔らかい制約を組み合わせた不具合箇所発見方式の構築,発見した不具合箇所候補をユーザに提示する可視化方式の構築に取り組む.平成30年度には以下の研究を行った.まず,前年度に構築した柔らかい制約と複数パスを用いたプログラムの不具合箇所発見方式を改良した.本方式は,基課題で構築したhardened flow-sensitive trace formula (HFTF)を拡張し,不具合箇所を含みうるパスの部分をさらに分類して複数段階の柔らかい制約で符号化することで,不具合箇所候補のランキングを実現したものである.本改良では,プログラム中の対応する構文要素の情報を利用して,柔らかい制約によるパスの符号化をより詳細に行うようにすることで,プログラムの不具合箇所候補のランキングをより詳細に決定するようにした.さらに,前年度に開発した,不具合箇所候補を可視化して,ユーザに提示するグラフィカルユーザインタフェースを備えたツールを拡張し,前述の不具合箇所発見方式に対応した.
2: おおむね順調に進展している
ソフトウェアの自動デバッグ方式の研究は進展しているが,複数段階の柔らかい制約を用いたプログラムの不具合箇所発見方式に関する研究成果を発表する必要がある.
複数段階の柔らかい制約を用いたプログラムの不具合箇所発見方式に関する研究成果をまとめ,発表する.
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Proceedings of the 42nd IEEE International Conference on Computers, Software and Applications (COMPSAC2018)
巻: - ページ: 339-346
10.1109/COMPSAC.2018.00054