研究課題/領域番号 |
15KK0021
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
亀田 知人 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60333895)
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研究期間 (年度) |
2015 – 2018
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キーワード | 酸化ジルコニウム / 複合酸化チタンージルコニウム / ビスフェノールA / ゾルゲル法 / ソルボサーマル法 |
研究実績の概要 |
芳香族アニオン修飾層状複水酸化物(LDH)による非イオン性芳香族化合物の捕捉に関する大きな課題は、芳香族アニオン修飾LDHの吸着効率が非常に悪いことである。これは、層間内部の芳香族アニオンによる吸着の寄与が非常に低いことに原因がある。本年度は、無機物質として層間化合物ではなく、比表面積の大きな酸化物を用いて有機修飾を行い、その非イオン性芳香族化合物の捕捉について検討した。 ゾルゲル法及びソルボサーマル法により、メソポーラス酸化ジルコニウム、メソポーラス複合酸化チタン-ジルコニウムの合成を行った。酸化ジルコニウムの比表面積は77.0m2/gであった。一方、TiZr30(Zrの割合が30%)、TiZr50(Zrの割合が50%)の比表面積は、252.5m2/g、331.5m2/gであった。これらの物質は、非イオン性のビスフェノールAを水溶液から捕捉することができた。吸着等温式は、Langmuir式ではなくFreundlich式によく一致した。これは、多分子層吸着を示唆している。吸着量は各々30-40mg/g程度で比表面積の影響は小さかった。 一方、合成した物質の表面に、カテコールを有機修飾できることがわかった。この有機修飾物質も、ビスフェノールAを水溶液から捕捉することができた(30-40mg/g程度)。これは、カテコールとビスフェノールAの芳香環同士の疎水性相互作用によるものと考えられる。 カテコールで有機修飾を行わないのにもかかわらず、各物質によりビスフェノールAを水溶液から捕捉できた理由は、現在考察中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の研究展開、さらには申請者の研究フィールドを大きく広げることができた。すなわち、無機物質として層間化合物ではなく、メソポーラス酸化ジルコニウム、メソポーラス複合酸化チタン-ジルコニウムを用いても、非イオン性のビスフェノールAを水溶液から捕捉することができた。単分子吸着を表すLangmuir式、不均一吸着を表すD-R式ではなく、多分子層吸着を表すFreundlich式で、本吸着現象を表現できたことは、吸着効率が大幅に向上したことを示している。 以上、本研究課題は、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究機関(メルボルン大学)では、研究目的を変えずに研究計画を変更することによって研究を行い、本研究課題の研究展開を大きく広げることができた。今後は、この経験を元々の研究計画にフィードバックし、アレンジすることで研究目的の達成を志向する。 具体的には、有機修飾を行う物質を、多孔体から、元々の計画案である層状複水酸化物に戻して、研究を行う。
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