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2018 年度 実績報告書

有機修飾無機層間化合物による非イオン性有機化合物の選択的認識・捕捉機能の開拓(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 15KK0021
研究機関東北大学

研究代表者

亀田 知人  東北大学, 工学研究科, 准教授 (60333895)

研究期間 (年度) 2015 – 2018
キーワード層状複水酸化物 / 芳香環相互作用 / 置換フェノール / 捕捉 / 物理吸着 / Langmuir式
研究実績の概要

層状複水酸化物(LDH)は、層間に様々なアニオンをインターカレートすることができる。芳香族化合物は、π電子に起因する相互作用によって、分子同士が重なり合う性質がある。π-πスタッキング相互作用は、電子密度の大きい芳香環と、電子密度の小さい芳香環との間でより強く働くことが知られている。電子密度の大きい芳香環を有するアニオンをインターカレートしたLDHは、芳香環電子密度の小さい有機化合物を優先的に捕捉することが可能となる。本研究では、芳香環電子密度の大きい1-ナフトール-3,8-ジスルホン酸イオン(NDS2-)をインターカレートしたLDHを用い、電子密度の異なる5種の置換フェノールの捕捉を行った。反応を平衡論的に解析し、芳香環相互作用が働く捕捉の機構を検討した。
吸着等温線はLangmuir式、熱力学的平衡定数の算出にはギブズの式を用いた。Langmuir式より飽和吸着量を算出した結果、NDS2-型Cu-Al LDHは、芳香環電子密度の小さい置換フェノールほど多く吸着することが分かった。これは、電子密度の大きな芳香環を有するNDS2-が、π-πスタッキング相互作用により、電子密度の小さい芳香環を多く引きつけたことを示している。ギブズ式より算出した熱力学的平衡定数より、芳香環電子密度の小さい置換フェノールほど、LDHに対する吸着エネルギー|△G|が大きいことがわかった。これはNDS2-の有する豊富なπ電子が、電子密度の小さい芳香環と強く相互作用を生じたことを示している。吸着エネルギーは20kJ/mol以下が物理吸着、80~400 kJ/molが化学吸着である。本反応は芳香環相互作用が働く吸着であり、物理吸着に分類される。実験結果より算出した吸着エネルギーは全て20kJ/mol以下であり、物理吸着による反応であることを裏付ける結果となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] University of Melbourne(オーストラリア)2016

    • 年月日
      2016-05-19 – 2017-03-08
    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      University of Melbourne
    • 主な海外共同研究者名
      Rachel Caruso
    • 部局
      School of Chemistry
    • 職名
      A/Prof.

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公開日: 2019-12-27  

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