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2016 年度 実施状況報告書

気候変動に伴う種の損失を補償する機能的冗長性の存在可能性の検証(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 15KK0022
研究機関横浜国立大学

研究代表者

森 章  横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (90505455)

研究期間 (年度) 2016 – 2018
キーワード森林生態学
研究実績の概要

気候変動による,生態系への影響が懸念されている。気候変動に伴って生物多様性が影響を受けると、結果として生態系の機能性にも影響が波及することが考えられる。生態系に生じる極端現象としては,たとえば旱魃,火事,虫の大発生などが挙げられる。これらは社会的に災害となり得る一方で,自然界には普遍的に生じる事象である(「自然撹乱」と呼ばれる)。現在,生態系の撹乱イベントは,土地利用や気候の変化といった人為と自然要因の相互作用により複雑化している。 本課題では,撹乱体制の変化によって生物多様性が変化・変性することにより,機能的役割とくに機能的冗長性が失われる可能性を検証する。そこで,ウィーン天然資源大学のDr. Rupert Seidlと協働して,「気候変動―生態系改変―多様性/冗長性変化」の相互関係の変化予測を行う。具体的には、生物多様性の変化予測を陸域生態系モデルにより構築する。さらに、森林撹乱-動態モデルを用いて,気候変動シナリオに応じた森林の多様性―生産性の変化に撹乱の効果を加味したモデルを構築する。これにより,将来的な多様性の変化シナリオに基づく陸域生態系の機能性(炭素隔離など)の応答予測を行う。以上より,気候変動下における生態系の機能性と冗長性を担保し,緩和策と適応策に貢献する上での生物多様性の潜在的な役割を評価する。以上を実施するための確認や準備等を行った。 すでに有している森林インベントリ(樹種組成や林齢などの情報)のデータを用いて、研究候補地のスクリーニングを行った。また、モデルのパラメータやモデル本体の構造の精査を行った。ワークショップ等にも参加し、モデルそのものについて、より議論を重ねてきた。さらに、理論的な進展のために、意見論文の作成も行った(投稿準備中)。より発展的なテーマとしては、世界規模での撹乱―陸域生態系変化のメタ解析も実施している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初計画以上の研究が2件進行している。

今後の研究の推進方策

今後もモデルの構築のための作業を継続する。投稿準備中の論文については、共著者と適宜議論を進め、今年度中の投稿を目指す。

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公開日: 2018-01-16  

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