研究課題
当該年度(2019年度)の前半まで、アメリカ・スタンフォード大学医学部に滞在し、7月12日に日本に復帰し、後続研究を継続した。今年度中、有名国際ジャーナルに筆頭または交信著者として「5報のオリジナル研究論文」を発表し、別途、1件の有名国際雑誌(Anal Chem)に非筆頭として研究発表した。他に1件のソフトウェア登録、2件の特許出願、民間会社への特許ライセンス契約の締結に至ったことから、全般的に当初の目標を上回る研究成果を得ることができた。以下のその研究例を紹介する。「化学物質の生理活性評価」という研究目的を達成するために、BRET9という新概念の発光システムを開発し免疫毒性物質の定量イメージングに成功した。更に新規合成の発光基質と組み合わせて近赤外線発光のNIR-BRETイメージングシステムを開発した(Chem Commun 2020;Theranostics 2019)。更に新規合成した発光基質より従来の100nmも長波長シフトした発光系を開発し、特許出願した。また、多チャンネル式光検出装置の感度調整アルゴリズムを開発した論文を国際ジャーナルに発表し論文表紙に選ばれた(Photochem Photobiol Sci 2020)。別途、装置開発に関する特許出願をした(特願2020-044513)。更に、新規人工生物発光材料の樹立と応用に努めた。当該年度中、新規ALucや発光基質など、新たな発光素材の開発と応用研究を行い、蛍光と発光を同時に発するTBSTシステムを開発し有名国際雑誌の表紙を飾る論文発表を行った(ChemBiochem 2019)。更に催奇形性物質(レチノイン酸)の定量可視化プローブの開発に成功し、その結果を筆頭著者としてアメリカ化学会雑誌に発表し(ACS Comb Sci 2019)、特許出願をした(特願2020-040703)。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 7件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) 産業財産権 (2件)
Photochem Photobiol Sci
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Chem. Commun.
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Anal. Chem.
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ChemBioChem
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ACS Combinatorial Science
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10.1021/acscombsci.9b00035
Theranostics
巻: 9(9) ページ: 2646-2661
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Analytical Sciences
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doi.org/10.2116/analsci.18SDP08
巻: 20 ページ: 1919~1923