研究課題/領域番号 |
15KK0036
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
津崎 良典 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10624661)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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キーワード | デカルト / モンテーニュ / シャロン / セネカ / エピクテトス / マルクス・アウレリウス / 新ストア主義 / 人間学 |
研究実績の概要 |
本研究課題の枠組みで具体的に共同研究に着手すべく3月29日に日本を出国し、翌日からフランスでの研究活動を開始した。そのために平成29年度は、一方で、渡仏に必要な様々な事務手続き(住居探し、ビザ申請、そのためにフランス内務省と大使館との書類のやりとり、保険加入手続き、引越しのための荷造り等々)に非常に多くの時間を割いた。狭義の研究活動ではなく、また、その成果も「研究実績」とは言い難いが、それなくしては渡仏が不可能であったため、ここに概要として記す。他方で、平成28年度以降、日本で可能な研究を継続して行った。1/ 先行研究史を整理し俯瞰するための文献表の作成、2/ 本研究課題の枠組みで具体的に検討すべき論点の洗い出し、3/ 岩波書店刊行の『セネカ哲学全集』全6巻の検討である。とりわけセネカに注目することが本研究課題において決定的に重要であることは、すでに発表済みの論文「De l'usage senequien des livres chez Montaigne, Charron et Descartes」(2016年)と刊行済みの単著『デカルトの憂鬱』(2018年)でも指摘した通りだが、海外共同研究者であるKambouchner氏の最新の研究成果である論文「Le Seneque invisible. Par ou Descartes est reste montaignien」(印刷中)によっても裏付けられ、その方向での探索をいっそう進める基礎的研究を継続した。それと同時に、エピクテトスとマルクス・アウレリウスのモンテーニュ/シャロン/デカルトによる受容がどの程度であったのかを正確に把握する補助的研究も開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の大半は、渡航のための事務手続きに割いたために、研究が大きく進展することはなかったが、その手続きのおかげで実際にフランスでの研究活動を開始することができたため。また、交付申請書に記載した基礎的な研究活動に従事することができたから。
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今後の研究の推進方策 |
実際に渡航することができたため、交付申請書に記載したとおりに、パリ第一大学がソルボンヌ大学と共同運営している、フランスでも有数の人文学系図書館であるBibliotheque interuniversitaire de la Sorbonne (BIS)を主たる仕事場として、研究を着実に進めていく。ただし、数ヶ月前から始まった、マクロン政権による教学改革に対する抗議運動のために、パリ第一大学哲学科とBISのあるソルボンヌ校舎は閉校措置になったり(機動隊と抗議者の対立が続いて入校ができない)、措置が解除されたり、と事態が流動的であるため、付近にある高等師範学校図書館とフランス国立図書館での研究活動も検討する。
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