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2018 年度 実施状況報告書

デカルトによる批判的受容を背景にしたピエール・シャロン人間学に関する哲学史的解明(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 15KK0036
研究機関筑波大学

研究代表者

津崎 良典  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10624661)

研究期間 (年度) 2016 – 2019
キーワードデカルト / モンテーニュ / シャロン / セネカ / エピクロス / マルクス・アウレリウス / 新ストア主義 / 人間学
研究実績の概要

今年度は、パリ第一大学および附属図書館において、本研究課題の枠組みで検討すべき諸論点をセネカの哲学的著作から洗い出し(昨年度からの継続課題)、かつ、それらのグルーピングを行い、その成果をうけて、各論点がモンテーニュ-シャロン-デカルトの三者においてどの程度の深度で考察対象となっているか、その点の把握に努めた(以上、本年度の主要実績)。と同時に、共同研究者のデカルトに関する研究書Descartes n'a pas ditの日本語訳(本書は、本研究課題の主題である「人間学」に関連する論点を複数個論じており、以上がデカルト人間学のすべてを構成するわけではないにしても、その主要なものであることにはかわりないため、前述したセネカにおける人間学的諸論点のリストとの対照に有益)、Devillairs氏のDescartes(本書は、とりわけデカルト神論を主題的に扱うものだが、人間学を「道徳論的」なそれと「政治論的」なそれに分けて考究する本研究課題にとって、前者の理解を深めるために有益)の日本語訳、ならびにNegri氏のDescartes politico(本書は、これまで不在とされてきたデカルト政治学を取り上げるものだが、デカルトにおける「政治論的」人間学の理解を深めるために有益)の日本語訳をそれぞれ進め、共同研究者の研究書以外はいずれも2019年3月末までに刊行することができた。さらに、共同研究者が主催する国際研究集会Seminaire Descartesにすべて参加し、最新のデカルト研究の成果について知見を深めると同時に、アメリカ、イギリス、オランダ、イタリア、フランスの代表的なデカルト研究者との意見交換を積極的に進め、グローバルな研究者ネットワークの構築に努めた。それ以外にも本研究課題に少しでも関係する国際研究集会や国際学会には積極的に参加し、情報収集とネットワーキングに努めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

渡航先であるパリ第一大学および附属図書館が「黄色いベスト運動」等のデモ活動のため頻繁に閉鎖となり、研究資料等にアクセスできなかったため研究がやや遅延している。他方で、当初の研究計画と研究対象のあいだに齟齬が生じ、分析に時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

本研究目的をより精緻に達成するため補助事業期間を1年延長し、引き続き必要な分析を行い、得られた成果を取りまとめた後に論文等で発表したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 図書 (3件)

  • [図書] デカルト・ポリティコ2019

    • 著者名/発表者名
      アントニオ・ネグリ、中村勝己、津崎良典
    • 総ページ数
      400
    • 出版者
      青土社
    • ISBN
      9784791771493
  • [図書] デカルト2018

    • 著者名/発表者名
      ロランス・ドヴィレール、津崎 良典
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      白水社
    • ISBN
      9784560510223
  • [図書] Curiosity and the Passions of Knowledge from Montaigne to Hobbes2018

    • 著者名/発表者名
      TSUZAKI Yoshinori et al.
    • 総ページ数
      400
    • 出版者
      Bardi Edizioni
    • ISBN
      9788821811753

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公開日: 2019-12-27  

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