研究課題/領域番号 |
15KK0039
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
島田 竜登 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80435106)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2019
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キーワード | グローバル・ヒストリー / 世界史 / 経済史 / 貿易史 / 交流史 / 東洋史 / 近世アジア / 東インド会社 |
研究実績の概要 |
本研究は、基課題を格段に発展させるために、「近世アジアのモノからみたグローバル・ヒストリー:生産・国際流通・消費文化」を実質的な課題として研究を進めることとした。すなわち、基課題が「砂糖」のみを対象としていたのに対し、本研究では、「綿織物」「胡椒」「錫」等も対象に加える。これらの産品は近世の海域アジア(東アジアから西アジアまでの海のアジア)で多量に生産されていた。ヨーロッパ各国が欧州市場のためにアジアから持ち出すばかりではなく、アジア商人によっても取引され、ヨーロッパやアジアなどの生産地とは遠く離れた地においても消費されていたのである。研究代表者がかつて博士論文で研究した「銅」、基課題で研究中の「砂糖」に、これら商品の生産・流通・消費を加えることで、複合的な視点から近世海域アジアならびに世界の商品連鎖を分析し、アジアから見た実証的なグローバル・ヒストリーを構築することを試みるものであるといえよう。 具体的な研究としては、基礎的データをオランダ国立公文書館が所蔵するオランダ東インド会社文書を用いて研究を実施した。まずオランダ東インド会社ないしは他の商業集団による貿易数量データを集め、その上で、オランダ東インド会社文書から生産と消費に関する基礎的(数量ならびに文字)データを収集、分析を行った。また、このような個人研究とは別に、2018年度には国際研究集会を開催し、近世アジア史をグローバルな見地から再検討する国際共同ネットワークの構築にも努力した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度に国際研究集会を開催したが、こうしたプロセスを経て、2019年度にも国際研究集会を開催し、議論を精緻化しつつ、新たな研究潮流を打ち立て、本プログラムの目的である世界最先端レベルでの広範な国際共同研究ネットワークを構築することが必要と考えられるため、補助事業期間を1年延長することにした。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度に、再度、国際研究集会を開催し、グローバル・ヒストリーとして近世アジア史研究の国際ネット―ワークを創出するとともに、本国際共同研究のとりまとめを実施する予定である。
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