研究実績の概要 |
台北からニューヨークに拠点を移し、ニューヨーク市立大学大学院マーティン・シーガル演劇センターの客員研究員として、これまで日本と英国を中心にしていたアジア・女性・シェイクスピアの関係性を、日本の植民地であった台湾と、日本を占領した米国において比較検討した。ニューヨーク市立図書館付属のパフォーミングアーツ・アーカイブを利用し、アジアにおける日本の位置性を問いながら、西洋と東洋の古典を舞台化してきた宮城聰演出作品がどのように受容されてきたのかを、他のアジア人アーティストと比べながらリサーチを行い、書籍プロポーザルを完成させた結果、英国のBloomsburyが出版しているShakespeare in the Theatreシリーズから単著を出す契約を得、現在執筆地中である。 7月にはローマ第三大学で開かれたヨーロッパ・シェイクスピア協会にて 、セミナー'Shakespeare on the Intercultural Edge: Adaptation, Translation, Acculturation and Hybrid Strategies'をリードし、ヨーロッパを中心にした20人の研究者と共に、シェイクスピアの翻訳と翻案について議論した。 上記に加えて、ケンブリッジ大学が出版する学術雑誌Theatre Research Internationalに依頼された書評、スズキ・トレーニング・メソッドで知られる鈴木忠志が東京から富山県利賀村に拠点を移し、1982年に始まった日本初の世界演劇祭「利賀フェスティバル」についてのThe Japan Timesへの寄稿記事、弱強五歩格を使って世界の警察たるアメリカの中東政策を痛烈に批判したネイチャー・シアター・オブ・オクラホマとエンクナップグループによる『幸福の追求』のあいちトリエンナーレでの字幕翻訳の合計4本を業績に挙げた。
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