研究課題/領域番号 |
15KK0059
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
杉浦 未樹 法政大学, 経済学部, 教授 (30438783)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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キーワード | 衣 / グローバリゼーション / 洋装化 / アフリカ / 布 / 繊維 / 価値 / 大衆化 |
研究実績の概要 |
本研究は、Aグローバルな循環の中での衣とアートの成立、B非ヨーロッパ基点のグローバルな衣の成立、Cヨーロッパ基点のグローバルな衣の成立、に分かれて研究をすすめている。本年度は、まず5月13日から5月22日に主たる渡航先であるイギリスのWarwick大学に計画調整に赴いた。これには受け入れ先のGiorgio Riello教授の全面協力があり、同大学のリサーチフェローとして招へいされる形で赴いた。この期間中に衣類の形状をめぐる歴史会議および、アフリカン・コモディティーズの二つのテーマが直結するカンファレンスに参加し、来年度の滞在中の交流ネットワークを拡大した。同時にリエロ氏と連日ミーティングをおこない、来年度の研究計画の細部を決定し、Cのテーマに関連する3つ、A、Bの合計5つのワークショップを行うこととした。これらのワークショップの一環として、Victoria Albert Museumにおいて会議に参加するスタッフと打ち合わせた他、ロンドン大学においても関連研究者と打ち合わせを行った。 2017年7月から8月にAの共同研究者DaCosta Kaufmann氏(Princeton大学)とともに、京都工芸繊維大学、九州大学/九州国立博物館、法政大学でGlobal Costume and Global Art Symposium Seriesを成功のうちに終えた。さらに2017年9月から11月にBについてPrestholdt氏(San Diego大学)を招へいし、二つの国際シンポジウムと3つの研究会を行い、連日共同調査や研究交流をして、研究が大幅に進んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は3つに分かれた行事があり、それぞれを予定通り遂行したが、一つ一つについて予想以上の展開があった。第一に5月のワ―リック大学での滞在は、上にも記述したように当大学のフェローとしての招へいとなり、予想以上に計画や参加する人のネットワークを具体化することができた。第二に、7月から8月に予定していたシンポジウムシリーズは、京都工芸繊維大学・九州大学・福岡市美術館・九州国立博物館・松浦美術資料館、国立西洋美術館・東京大学の諸機関の協力を得ることができ、当初想定した以上の充実した調査を行うことができた。あわせて広く発信していくという点でも、様々な団体との交流ができてよかった。第三に、Jeremy Prestholdt氏との共同調査でもまた、大阪大学、京都工芸繊維大学、東京大学、上智大学、長崎大学の研究者の協力を得て当初以上に共同調査を敢行し、共同資料を収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の方針としては、今年度かなり充実した調査やシンポジウムができたため、来年度は発信に力を入れることに決めた。今年度5月にWarwick大学に滞在したおかげで、受け入れのGiorgio Riello氏の他にも多数の関連した同僚と共同研究をすすめられることが確認できたため、来年度の海外渡航を一年に延長し、ワーリック大学を中心とした滞在にするようにした。来年度米国ウィンターサー美術館と、プリンストン大学に滞在予定であったが、プリンストン大学のカウフマン教授と今年度に二週間にわたって議論ができたためと、ウィンターサー美術館にLinda Eaton氏が限られた時間しかいられないので、米国渡航を短めにして、今年度会議の第二弾にあたる会議をロンドンで開くことにして、ウィンターサー美術館のLinda Eaton 氏とは8月アメリカ合衆国で行われる学会パネルへ招待し、より学術的成果のだしやすい環境で研究交流をすることにした。
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