本研究は、国際的な再評価が高まっている1950年代後半から70年代前半における日本前衛映画を対象に、新たな作家や作品の発掘、デジタル化を含めたネガ・ポジの修復、オリジナル・複製素材の保存、上映環境の再制作といった実践的な作業を通じたアーカイブ的な研究の新しい方法論の構築を目的とする。本年度は、ニューヨーク大学に滞在し、共同研究者と調査、研究を進めながら、関連の講演会、ワークショップを開催した。また、ニューヨーク近代美術館、アンソロジー・フィルム・アーカイブと共同調査を行うとともに、ハーバード・フィルム・アーカイブ、コラボラティブ・カタロギング・ジャパンと関連のワークショップ、特集上映を開催した。こうした共同研究と平行して、国内では、関連作品の発掘、修復、保存を定期的に行った。
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