研究課題/領域番号 |
15KK0062
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
小澤 実 立教大学, 文学部, 准教授 (90467259)
|
研究期間 (年度) |
2016 – 2018
|
キーワード | グローバル・ヒストリー / 中世史 / 交易 / ヴァイキング / 比較 |
研究実績の概要 |
昨年度に記した「今後の研究の推進方策」に従って、昨年度に比べてより具体的な事例を通じて中世グローバルヒストリーのありかたについて議論を進めた。 研究者招聘事業として、Anna Sapir Abulafia教授(Oxford)による「The Contested Seed of Abraham」(6月9日)を、Marek Jankowiak博士(Oxford)による「Dirhams for Slaves」(7月20日)、ワークショップ「Slaves, Merchants and the Powers in Medieval Eurasian Trade Networks」(7月22日)と「Byzantine Religious Controversy Revisited」(7月31日)を、Flocel Sabate教授(Lleida)による「The view of the Middle Ages in the discussion for reaching the Spanish National cohesion 」(10月4日)を、Alban Gautier教授(Caen)による「At Charlemagne’s Table」(11月9日)を、Philippe Buc教授(Wien)による「Medieval Warfare and Religion in Comparative Perspective」(11月21日)を、Margaret Mehl博士(Copenhagen)との国際シンポジウム「大久保利謙と日本近代史研究」(12月8・9日)を開催した。 うちいくつかは本年度中に活字成果を出した。以上の成果を踏まえ2018年3月26日より英国オックスフォード大学グローバルヒストリー・センターに所属し、共同研究者のキャサリン・ホームズ博士と今後の共同研究の進め方について意見交換を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
所期の目的に従って研究を進めるとともに、昨年度の予定にはなかったFlocel Sabate教授、Alban Gautier教授、Philippe Buc教授、Margaret Mehl博士らの急遽来日に際して、立教大学でも議論をすることが可能となったため、中世グローバルヒストリーのあり方に関してより深い検討を加えることができた。また、彼らを通じて、スペイン、フランス、オーストリア、北欧におけるグローバルヒストリー研究の現場と関係者の存在を知ることができ、課題の発展に寄与させる手がかりを得ることができた。以上により、当初予定していた以上に研究計画は進展していると判断しうる。
|
今後の研究の推進方策 |
現在の研究の方向を推し進めるとともに、次年度は、複数の海外学会(現在確定しているものとしてスペイン国リェイダ、英国リーズ、アイスランド国レイキャヴィーク、フランス国カン)での招待報告をおこなうと同時に、共同研究者のキャサリン・ホームズ博士と協力して中世グローバルヒストリーのありかたについて議論するオックスフォードでの会議の開催準備を進める予定である。また、本年度に行われた会議などの成果も英語並びに日本語で順次活字化する予定である。
|