| 研究実績の概要 |
本研究計画は、イタリアに渡航して共同研究者との緊密な協力を行いつつ文書館調査と現地での研究集会などを行い、その成果を日本に接続するため日本の研究者とのネットワーク構築と日本での研究成果還元も予定していた。当初は日本での研究集会開催を渡航期間中の2018年度に一時帰国して行う予定であったが、渡航後一時帰国が困難になったため、2019年度に補助期間の延長を行い実施した。
日本での研究集会として、2019年6月30日に「アルプス史研究セミナー 中・近世アルプスにおける社会・文化・政治空間」を開催した。この場で二人の海外共同研究者と研究代表者が研究報告を行い、日本のアルプス史研究者4名のコメントを得て討論を行った。若手研究者を含む日本の研究者達の参加を得て活発な議論を行うことができた。この成果の一部として、共同研究者マルコ・ベッラバルバ氏の当日講演原稿の日本語訳「新たな空間の創造――近世ティロルとオーストリアの貴族――」を『甲南大學紀要 文学編』170号（2020年、159－166頁）に公表した。
さらに、海外共同研究者の一人ハンネス・オーベルマイア氏との共著で論文 'Il notariato di Merano nel secondo Quattrocento. A proposito del progetto di ricerca Political Societies in Medieval Alps: Mountain Towns and Surrounding Locations (Fostering Joint International Reseaerch)を執筆し、イタリアの専門誌Studi di storia medioevale e di diplomatica, nuova serie III (2019, pp. 373-384)に公表した。
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