研究実績の概要 |
2016年8月8日から2017年3月29日まで、海外を拠点にして、国際共同研究を推し進めた。当該研究は、夏目漱石によるイギリス文学の受容考察をはじめとして、理論構築と文学構想の連携の実態を、イギリス・アメリカ・ブルガリアの研究者と共同で明らかにする試みである。初年度から確実な実績を産出した。 私は2016年9月22日から2017年6月2日までイギリスのオックスフォード大学のアカデミックビジターの資格を得ており、当該大学に在籍して積み重ねた研究成果および共同研究をつぎのとおり発表した。 1)2016年11月4日ソフィア大学(ブルガリア)でPublic Lecture, "Histories, Ballads and Novels from the Perspective of Soseki's Association with R.L.Stevenson". 2)2016年12月9日オックスフォード大学で国際シンポジウム主催。1st Symposium on "Literary 'DNA': World Literature and Modern Japanese Literature". 発表者は私の他に、共同研究者のStephen Dodd, Linda Flores, Darin Tenev. 私の発表題は"Making a Promise: The Impact of Old English Ballads and Romances on Soseki". 3)2017年3月14日エディンバラ大学(イギリス・スコットランド)でJapanese Studies のSeminar, Translation of Poems: Sir Walter Scott and Natsume Soseki". 重点を置いた研究は、古代スコットランド文学の、近代における活用、ならびに、その漱石に与えた影響である。江藤淳の研究から進展に乏しかった漱石によるイギリス受容の研究がこれで刷新される。
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