研究課題/領域番号 |
15KK0069
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
伊藤 敦規 国立民族学博物館, 文化資源研究センター, 准教授 (50610317)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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キーワード | 博物館人類学 / ソースコミュニティ / 協働 / 民族誌資料 / 米国先住民 / 著作権的配慮 / 博物館資料ドキュメンテーション |
研究実績の概要 |
米国コロラド州のデンバー自然科学博物館のチップ・コルウェル博士(学芸員)とともに収蔵資料の写真撮影や成果発表を行った。さらに、同市内にあるデンバー美術館、コロラド州歴史協会にもホピ製宝飾品資料が収蔵されていることが判明したため、デンバー自然科学博物館経由で担当者に連絡し、資料調査が承諾されたので、資料写真の撮影とプロジェクトの概要を共有する発表会を行った。それら3機関で撮影した約100点分の資料写真を、ソースコミュニティであるホピにデータとして持参し、TVモニターに大きく映し出しながら、熟覧作業を行い、そのコメントをビデオカメラ、スチールカメラ、ICレコーダーで記録した。また、配布した資料台帳に書き込まれた・描き込まれたメモも、スキャナーでデジタル化保存した。現在はその熟覧コメントの会話の文字起こし作業を続けている。 国立アメリカンインディアン博物館の担当者に連絡を取り、正式なフォーマットから資料調査の申請を行い、承諾された。2017(平成29)年4月の渡航に向けて、資料情報の整理を進めている。 北アリゾナ博物館では施設を利用させてもらい、コロラド州の3館のデジタル熟覧や今後のデジタル熟覧に必要となる機材を保管してもらっている。人類学の主任学芸員であるケレイ・ハイズ=ギルピン博士(学芸員)にはプロジェクトの進捗を報告し、今後の展開について密に連絡を取り合っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進んでおり、連携機関が拡大しつつある。米国ワシントン州のワシントン大学附属バーク博物館の資料管理マネージャーのキャシー・ドーハティー氏は本プロジェクトの国際共同研究員であり、彼女と面談を持つため2017年3月に訪問した(別予算)。 北アリゾナ博物館の資料調査に関して、新たにニューメキシコ州立大学附属博物館と協力関係を展開中である。2017年1月にはニューメキシコ州ラスクルーセス市内にあるニューメキシコ州立大学附属博物館を訪問し、収蔵資料を実見させてもらった他に、今後の共同研究の展開と実施、さらに展示場を利用した成果公開の可能性について協議した。館長は、私が所属する国立民族学博物館の外国人研究員に応募し、採択されたため、2017年度の11月から2018年度6月までは日本の大阪を拠点に加えながら、本研究を継続実施することが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
予定している調査を粛々と進める他、新たな展開として可能性を帯びてきた、米国ニューメキシコ州ラスクルーセスのニューメキシコ州立大学附属博物館との協力関係を具体的にデザインして、本プロジェクト全体の展開を目指す。
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