本研究はジェームズ・ステュアートの貨幣的経済理論の成立過程について,米国のデューク大学,英国のキングストン大学およびエディンバラ大学と共同研究しつつ進めるものであった。海外渡航の準備を進めるなかで,これらの機関のなかでも,経済学史研究の世界的な拠点となっているデューク大学の研究センターCenter for the History of Political Economyを中心に共同研究を進めることがメリットが大きいことが判明し,2016年度末から2017年度末まで約1年間,リサーチ・フェローとして当該研究センターに在籍して研究を進めた。このことは予想外に共同研究の幅を広げることになった。フランスのリヨン大学並びにブラジルのカンピーナス大学UNICAMPのステュアート研究者と,当該研究センターで同じ時期にリサーチ・フェローとして研究交流を持ち,さらにはスペインのパブロ・デ・オラビデ大学の研究者とステュアートの貨幣的経済理論に関する国際カンファレンスをセビリアで開催・運営した。帰国後はこれらの共同研究と研究交流をさらに発展させ,2019年10月には国際カンファレンスの成果をRoutledge社からThe Economic Thought of Sir James Steuart (edited by Jose M. Menudo)として出版し,さらにジャーナルResearch in the History of Economic Thought and Methodologyにリヨン大学の研究者とともに小特集をオーガナイズして発表することになった(2020年9月刊行予定)。
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