研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
ジェームズ・ステュアートは、18世紀後半に経済学が成立するうえで、主要な役割を果たした経済学者の一人である。本研究課題では、過去二十年近くにわたって、日本の研究者の手で進められてきたステュアートの草稿研究の成果を踏まえて、例えばステュアートがチャールズ・ダヴナントや、デヴィッド・ヒュームからどのような点について学び、自らの学説を深めていったのかを究明しつつ、18世紀における貨幣的経済理論の成立像について明らかにした。
経済学史・経済思想史
経済学はこれまで、多様な時代と多様な社会のなかで、様々な学説を生んできた。18世紀に経済学が誕生したときも、これは単一の理論として誕生したわけではなくて、複数の理論化の併存という形で、誕生したのだった。ジェームズ・ステュアートは、経済のなかでもとくに、貨幣と貨幣の統治に軸を置いた理論体系をつくった。この研究課題を通して、最初の貨幣的経済理論が先行学説をどのように吸収しつつ形作られてきたのかを、多くの海外の研究者とともに明らかにした。