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2016 年度 実施状況報告書

資産バブルと経済政策(国際共同研究強化)

研究課題

研究課題/領域番号 15KK0077
研究機関東京大学

研究代表者

平野 智裕  東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 講師 (60609064)

研究期間 (年度) 2016 – 2017
キーワード資産バブル / 金融規制
研究実績の概要

リーマンショック以降各国中央銀行、金融監督当局では、資産バブルに対してどのような経済政策を採るべきかに関して大きな関心が寄せられている。資産バブルに対してどのような政策が望ましいのかに関しては二つの見方がある。一つの見方は、バブルはそもそもバブルかどうか分からず、仮に分かったとしても、バブルに対して何らかの金融規制を採るよりも、バブル期にはバブルを静観し、いざバブルが崩壊した後に目一杯救済政策を採れば良いという見方である。他方で、別の見方もある。それは、資産バブルの発生を防いだり、資産バブルが実体経済に与える影響や資産バブル崩壊の悪影響を緩和するためには、政府は資産バブルに対して何らかの事前規制を採るのが望ましいという見方である。私の「資産バブルと経済政策」に関する一番の研究の目的は、資産バブルの発生と崩壊を前面に出した景気循環理論を構築した上で、バブル崩壊後の事後救済とバブル崩壊前の事前規制のどちらが経済厚生の観点から見て望ましいのかを、合理的バブル理論の観点から明らかにすることである。
コロンビア大学滞在中は、ほぼ毎週、受け入れ教員のJose Scheinkman教授と打ち合わせを重ね、これまでに大きな進歩を得ている。また、Joseph Stiglitz教授とも2週間に一度面談し、論文に関して大くの意見交換を重ねている。現在のところ、このテーマに関する論文の方向性は9割以上固まったので、あとは論文の仕上げに専念したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記のテーマに関しては、コロンビア大学の教員用セミナーで報告し、コロンビア大学の教員から多くのコメントを得た。また、近隣の大学や米国内でのコンファレンスで発表を重ねている。仕上げに専念したい。

今後の研究の推進方策

今後の方針は二つある。一つは上記のテーマを仕上げ学術雑誌を仕上げ英文学術誌に投稿予定である。もう一つは、新たに始めた論文に関しても進めたい。1980年以降、多くの先進国で、Top 1%層への所得・資産集中が生じ、格差が拡大している。またこの時期には、マクロ経済の不安定化も見られる。例えば、90年代終わりから2000年にかけて生じたナスダック・バブル、2007年から2008年にかけて生じた金融危機がその代表例である。新たなテーマでは、世界的に見られる格差拡大とマクロ経済の不安定化の間には関係があることを理論的に検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Asset Bubbles, Endogenous Growth, and Financial Frictions2017

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Hirano and Noriyuki Yanagawa
    • 雑誌名

      The Review of Economic Studies

      巻: 84(1) ページ: 406-443

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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