【研究の目的】本研究は、①基盤(C)「グローバル・ガバナンス・プラットフォームの動態――グローバル政治経営学に向けて」を基課題としつつ、②カリフォルニア大学バークレー校政治学部のクリストファー・K・アンセル(Christopher K. Ansell)教授との国際共同研究を通じて、③学際的な観点に基づきつつ、ガバナンス・プラットフォームの機能と動態を明らかにするものである。 ①につき、本国際共同研究の分析枠組は、一方で小論「持続可能な開発のトランスナショナル・ガバナンス──権威の多元化と新たなガバナンス・モード」などで展開した議論、他方でアンセル教授の「協働プラットフォーム」論を踏まえつつ、それらを発展させるものである。 ②につき、2017年9月から2018年7月にかけてカリフォルニア大学バークレー校にて在外研究を実施し、アンセル教授との共著論文"Can the Power of Platforms be Harnessed for Governance?"を執筆した。同論文は、ガバナンス・プラットフォームが有する三種類のレバレッジを踏まえ、ガバナンス・プラットフォームの四類型を示した。同論文を国際ジャーナルに投稿し、現在は修正を行っている。 ③につき、同論文は、政治学、行政学、法学、経済学、経営学、社会学等の既存研究のサーベイを踏まえつつ、プラットフォームを体系的に論じるものである。 【研究の意義】本研究は、従来は学問領域ごとに個別に論じられてきた民間部門・公共部門の様々なプラットフォームを概観した上で、その中核的な論理を明らかにする点で国際的に比類ないものである。
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