研究課題/領域番号 |
15KK0083
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
角谷 快彦 広島大学, 社会科学研究科, 准教授 (20619176)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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キーワード | 医療経済学 / 老後の不安 / 医療支出 / 金融リテラシー |
研究実績の概要 |
平成29年度は、前年度に渡航したタイ・チュラロンコン大学で、これまでに構築したモデルを基に分析を行い成果の発表に努める計画であったが、本年度は計画を大きく上回る成果を残すことが出来た。具体的には、研究成果として以下の成果を残した。すなわち、チュラロンコン大学の共同研究者からのコメントも参考にした単著書籍1冊の刊行、査読付き国際学術誌に2本の論文採択、国際共著論文1本を含むディスカッションペーパー2本の発行、国際ワークショップの招待講演1件、そしてタイ国立メーファールアン大学の記念式典における基調講演1件、シンポジウムでの発表(パネリスト)1件である。なかでも単著書籍は、当該分野を包括的に網羅した上で問題提起をする内容で、出版元Routledge社も世界的な学術出版社ということで成果の公表としてふさわしいものになったと考えられる。また、論文を掲載した査読付き国際学術誌もインパクトファクター付きで、分野の中ではそれなりに読者を惹きつけることができるものとなっている。 さらに、本年度は、研究成果のプレスリリースを積極的に行った結果、世界中のマスメディアに記事を掲載してもらうことができ、研究成果の一般への周知にも結果を残すことができた。具体的には本年度の研究成果を記事にしたメディアの数は世界12カ国43件にも上り、その中にはDaily Mail(英国)、Yahoo! FInance(米国)、Trow deVerdiping (オランダ)、Health Mail Russia(ロシア)等各国の主要メディアも多数含まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
概要で示した通り、計画していた研究成果の公表は、受入大学研究者のコメントも参考にした単著書籍1冊、査読付き国際学術誌2本、国際共著論文1本を含むディスカッション・ペーパー2本をそれぞれ刊行、ベトナムでの国際ワークショップの招待講演、受入国の国立メーファールアン大学記念式典での基調講演、シンポジウムでの発表等を通じて精力的に実施することが出来た。加えて、世界12カ国43件におよぶ研究成果のメディア掲載により、研究成果を一般にも広く周知することができたため、本年度の成果は計画以上に実施できたと判断できると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初の計画をほぼ達成した後に、平成29年度に新たに発見した「個人の金融リテラシーの高さが老後の不安の大きさ、ひいては医療支出に影響を与えている可能性がある」という仮説を掘り下げて成果を一層創出する予定である。既に前年度に必要なデータを追加収集して研究を前に進めた。本年度はこの流れを受け継ぎ、一層の成果創出に努める次第である。また平成29年度に未刊行となった国際共著論文が刊行済のディスカッション・ペーパーの他にさらに2本あり、これらの発表も目指す。
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