本研究課題は、当時遂行中であったロシアとウクライナの政治エリートの比較研究の発展のために、国際協力を推進するものであった。2019年度は、本来の研究期間を一年延長し、2019年6月に東京で行われたスラヴ・ユーラシア研究東アジア学会で、ウクライナ政治に関するパネルを組織した。報告者は、本研究課題で主要滞在先としていたヘルシンキ大学・アレクサンテリ研究所から1名と、本研究課題遂行に際して協力してもらったウクライナの研究者1名、そして研究代表者の3名であり、国際協力の観点からも成功であったと考える。 また、2019年度の研究成果として、2019年に行われたウクライナ大統領選挙に関して情勢解説を公刊したほか、ウクライナの政党野党ブロックに関する論文が近刊される予定である。また、上述の東アジア学会での報告のほか、北海道大学スラヴ・ユーラシア研究センターの夏期国際シンポジウムでロシアの官僚制に関して報告した。さらに日本国際政治学会の共通論題で、ロシアの対外政策決定過程に関して報告を行った。 本研究課題全体の期間を通して、欧米の査読誌に2本の論文を掲載(採択済みで公刊予定を含む)したほか、邦語論文を4本公刊した。さらに、ヘルシンキ大学で国際ワークショップを組織し、日本でも国際ワークショップを組織し、その成果をフィードバックした。加えてヘルシンキ大学でのセミナーでの報告や東アジア学会でのパネル組織など、国際協力の観点からも一定の成果を上げたと自負している。
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